佐久本弥生さんのご自宅のアトリエを訪問しました。
那覇市の高台にあるご自宅。
愛犬のミニチュアダックス「そら」と「ちゅら」に迎えられ(吠えられ)ながらアトリエ部屋へ。
部屋の天井にはシャンデリア!
もとは応接間だった部屋をアトリエとして使っているそう。
窓からは那覇市街とその向こうに東シナ海が臨め、眺めも最高です。
元々視力の良い佐久本さんですが、目を使う仕事柄、よく遠くを見るようにしているそう。
部屋を見渡すと、ソファやテレビの他山梨で職人をしている頃から約20年使っている彫金机、バフや圧延ローラーなどの機械もならんでいます。
羨ましいアトリエ設備です。
ソファを勧められ、座ると横に大きな箱が。
「この箱何ですか?もしかして作品?」
「この間団体戦で優勝したんですよ〜!」
と箱から出して見せてくれたのはなんと優勝トロフィー!
佐久本さんの趣味はバドミントン。
机の前で細かい作業をする仕事柄、外に出て身体を動かしたいと思った時に近所の体育館のサークルに入ったのがきっかけだそう。
「じゃあはじめましょうか!」
今回作るのは12.5号のV字リング。表面に3石のダイヤモンドを埋め、リングの上半分に手彫りを施します。
サイズ棒にノギスをあて、作るリングに必要な長さと重さを計算します。
必要な量のプラチナを皿に入れ溶かしていきます。
プラチナの融点は1,700℃以上。
眼を保護するため黒いメガネをかけ、酸素バーナーで当てます。
バーナー片手に黒メガネ姿が男前です!
火を当て続けて数分。
粉状だったプラチナがひとつに溶け固まりました。
真っ赤です!
プラチナが熱いうちに金槌で叩き、延ばしやすいように角棒状にしていきます。
赤かったプラチナの温度がさがり次第にグレーに。
あっという間に角棒の出来上がり。
「どや(笑)」
ノギスでサイズを確認し、圧延ローラーでさらに細く長い棒状にしていきます。
細くなったプラチナに再度火をあててなまします。
湾曲している棒をまっすぐに整えていきます。
まっすぐな棒に!
リングの形に整えます。
V字になるよう角棒の端を糸鋸でカットします。
V字リングの形になりました。
隙間をつなげるためのロウ付けです。
12.5号サイズピッタリに仕上りました!
ロウの跡をヤスリで削り、リング全体を磨き整えたあと、一旦お客様にサイズの確認をさせていただきます。
サイズの確認ができたら、佐久本さんの真骨頂、ダイヤモンドの石留め、そして彫りの作業です!